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金属への穴あけ・固定ガイド【完全版・初心者向け】

ボルト人間「ボルたん」とビス人間「ミックスねじ男」が、金属への穴あけ・固定方法を説明している場面のイラスト。DIY初心者向けの記事アイキャッチ画像。
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金属に穴を開ける――そう聞いた瞬間に「お、ついに俺も“金に属する人間”、大金持ちデビューか!?」と一瞬テンション上がりました。……でも現実はただの鉄板。財布の厚みは増えず、ビットの消耗だけが増えます。どうも、マヤキータです。

実際、金属に穴を開ける作業はDIYの中でも難易度が高め。木材や石膏ボードより硬く、摩擦熱も大きく、ビットの寿命も短くなりやすいのが特徴です。だからこそ正しい工具と正しい手順を知っていれば、初心者でも安全にチャレンジできます。

この記事では「金物の穴あけと固定」に特化して、初心者が押さえておくべき基本を解説します。

【作業前の注意】
・穴をあけたりする時は保護メガネと手袋を着用してください。
・下地や配線を事前に確認してから穴あけを行いましょう。
・無理な姿勢や過度な力をかけないよう注意してください。
・電動工具を使う時、コードやバッテリーに異常がないか使用前点検を行ってください。
・粉じんが出る作業ではマスクを着用し、周囲に人がいないことを確認しましょう。



金属穴あけの基本ポイント

  • 素材の硬さを確認
    → 鉄・ステンレス・アルミなどで難易度が大きく違う。アルミは柔らかいので初心者向き。

  • 金属専用ビットを使う
    材料別ドリルビット辞書(完全版) を参照

  • 潤滑油は必須
    → 摩擦熱を下げ、刃先を長持ちさせる

  • 低速+一定の押し圧
    → スピードを上げすぎると焼き付いて一瞬でダメになる

ボルたん
ボルたん
鉄板は固いし、全速力で回せばええんやろ?
ミックスねじ男
ミックスねじ男
逆や!低速+油や!高速で回したら一瞬で煙出るで!

材質別おすすめドリルビット比較表(金属用)

金属の種類によって適したドリルビットが異なります。誤ったビットを使うと、ドリルが焼けたり折れたりする原因になるため、素材に合ったものを選びましょう。

金属の種類推奨ビット冷却特徴・注意点
鉄・スチールHSS(高速度鋼)ビット○(切削油を使用)汎用性が高く、金属全般に対応。焼き付け防止のため断続的に切削。
ステンレスコバルトHSS or チタンコートビット◎(多めに冷却)硬く熱がこもりやすいため低速回転で。摩擦熱により焼けやすい。
アルミ鉄工用ビット(HSS)△(軽くでOK)柔らかく削りやすいが、バリが出やすい。強く押し込まない。
真鍮・銅鉄工用 or HSS△(軽くでOK)柔らかく滑りやすい。ポンチで下穴位置を明確に。
鋳鉄超硬ドリル○(切削油)もろく欠けやすいため、強く押さず少しずつ削る。
薄板(アルミ・鉄板など)ステップドリル△(軽くでOK)1本で複数径の穴をあけられる。バリが出にくく、拡張穴あけに最適。
強く押すと段差部でビットが割れるので注意。

🔰 初心者向けポイント:
・金属は「低速+切削油+安定固定」が基本。
・ステンレスや鋳鉄などの硬い素材は熱を持ちやすいため、少しずつ削る。
・ステップドリルは薄板の拡張や既存穴の調整に便利です。

→ 詳しくは 材料別ドリルビット辞書(完全版) をチェック。


穴あけの手順

  1. 位置決め:ポンチ(尖った工具)で軽くへこみを付ける

  2. 下穴を開ける:いきなり太い穴を開けず、2〜3mmから段階的に

  3. 潤滑油を注す:タッピングオイルなどを適宜追加

  4. 低速で一定の力:切り粉(削りカス)が出るリズムを感じながら進める

  5. バリ取り:裏に出るギザギザをヤスリや面取りカッターで整える
筆者撮影:DIYで使用しているバリ取り用カウンターシンクビットの写真。金色チタンコーティング仕様。
バリ取りビットの写真
筆者撮影:押し込むだけで打点を付けられるオートセンターポンチの写真。金属や木材の下穴位置決めに使用。
押し込むタイプのセンターポンチの写真
ボルたん
ボルたん
油さすの忘れて煙モクモクで焦げたわ!
ミックスねじ男
ミックスねじ男
それ一番アカンやつや!油は命綱やぞ!

固定方法(金属同士・異素材)

1. ボルト+ナット

筆者撮影:左からU字ボルト、トラスボルト、袋ナット、六角ナット、スプリングワッシャー、ワッシャーを並べた写真。ボルトとナットの種類比較用。
左からU字ボルト、トラスボルト、袋ナット、ナット、スプリングワッシャー、ワッシャーの写真

基本の仕組み
ボルトを穴に通し、ナットを締めて固定する方法。金属同士の接合で最も一般的。

寸法の注意(インチ と ミリ)
ボルトやナットには「メートルねじ(ミリ規格)」と「インチねじ」がある。
→ 見た目が似ていても互換性がないため、必ず規格をそろえる。

ワッシャー(平座金)を使う理由
ナットやボルトの頭が材料に食い込むのを防ぎ、荷重を分散する役割。
ただし「緩み止め効果」は弱い。

スプリングワッシャー(ばね座金)
緩み止め用に使用される。ナットと座面の間で弾力を発揮し、振動での緩みを軽減する。
ただし最近では効果が限定的とされ、ナイロンナットや専用緩み止め剤と併用されることもある。

緩み止めの工夫

  • スプリングワッシャーを追加する

  • ナイロンナット(セルフロックナット)を使う

  • ネジロック剤(ロックタイトなど)を使う

2. ドリルビス(セルフドリリングスクリュー)

筆者撮影:木材の上に置かれたドリルビスの写真。鉄やアルミへの固定作業で使用するセルフドリリングスクリュー。
ドリルビスの写真
  • 先端がドリル形状になったネジ。

  • 薄い金属なら下穴不要でそのまま打ち込める。

  • 厚板では下穴を開けてから使うと確実。

3. リベット(ブラインドリベット)

  • 「カシメ」とも呼ばれる。裏に手が入らなくても固定できるのが最大のメリット。

  • 2枚の板にフランジより0.1大きい穴をあける。

  • フランジ側を穴に入れる。

  • リベッター(専用工具)で芯を引き抜くと、金属ピンが広がって抜けなくなる。

  • DIYではアルミ製が扱いやすい。
AIで作成したリベットの使い方説明図。リベッターの先端にシャフトを差し込み、ハンドルを握って固定する手順を示したイメージ。
リベットの使い方

4. タップ(ねじ切り)

筆者撮影:金属にねじ穴を切るためのタップキリの写真。ドリルとタップ機能が一体になった便利な工具。
タップキリの写真
  • 金属にネジ山を作る工具。

  • 板厚 2mm以上 なら実用的に使える。

  • 下穴径が重要(例:M6なら5mm下穴など)。

  • 潤滑油を差しながら「回して → 半回転戻す」を繰り返すのがコツ。

  • 応用
    • ネジ穴が潰れた時 → タップで切り直す
    • リコイルキットを使えばネジ穴を復旧可能
    • オス側(ボルト)のネジ山復活は「ダイス」という道具で対応できる

初心者向け解説

上の板:バカ穴(通し穴)

  • ネジ径より少し大きめの穴。ボルトがスルッと通るようにする。
  • 例:M6ボルトならバカ穴は6.5mm程度。

下の板:タップ穴(ねじ穴)

  • ネジ径に合わせた下穴を開けて、タップでネジ山を切る。
  • 例:M6ボルトなら下穴径は約5.0mm。
  • 板厚が2mm以上あることが望ましい。

組み合わせ例

  • 上の板:バカ穴
  • 下の板:タップ穴
    → ボルトを通して下の板に直接ねじ込む。ナット不要でスッキリ固定できる。


使用する電動工具

  • ドリルドライバー:初心者向け。小径穴なら十分。

  • インパクトドライバー:貫通固定やドリルビスに強い。
  • ボール盤(プロ領域):安定・垂直に開けたいときに便利。

インパクトドライバーとドリルドライバーの違い【DIY初心者向け】


注意ポイント

  • 金属粉は鋭い! → 保護メガネ・手袋は必須

  • ビットは消耗品 → 焼けたり欠けたら交換

  • ステンレスや厚鉄板は無理をせず →専門業者に依頼
ボルたん
ボルたん
金属粉は涙で流れるんちゃう?
ミックスねじ男
ミックスねじ男
流れへんわ!目に刺さったら即救急や!ゴーグル必須や!

まとめ

金属への穴あけは「専用ビット+潤滑油+低速」が鉄則。
固定方法も、ボルト・ドリルビス・リベット・タップなど状況に応じて選びましょう。

初心者はまずアルミや薄鉄板から。慣れたらステンレスや厚みのある鉄板にも挑戦できます。


関連記事リンク

鉄板・アルミなどへの穴あけを実際に行い、ドリルビットの違いや固定のコツを検証しています。

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てきとーに やりたいことを まったりと 気の向くままに 風の吹くままに
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