塩の種類と分類 原料と工程で見る塩の構造
塩は毎日の生活で必ず使う調味料ですが、
種類が多く、言葉も多く、とても分かりにくい存在です。
「天然塩」「自然塩」「精製塩」「岩塩」「海塩」などの言葉が並び、
そこに健康論・イメージ論・思想論が混ざることで、
構造としての理解が難しくなっています。
この記事は「どの塩が正解か」を決めるものではありません。
塩を
原料 × 工程
という構造で整理し、
理解するための“分類地図”としてまとめることを目的としています。

塩の分類は「原料」と「工程」で決まる
塩は基本的に、次の2軸で整理できます。
原料による分類
- 海水塩(海水を原料とする塩)
- 岩塩(太古の海水が結晶化した鉱床由来の塩)
- 湖塩(塩湖由来の塩)
工程による分類
- 精製塩(イオン交換膜などで高純度化された塩)
- 再製塩(海外塩を溶解・再結晶化した塩)
- 自然塩(工程分類ではなくイメージ・表現として使われる言葉)
この「原料 × 工程」で整理すると、
塩は感覚ではなく、構造として理解できるようになります。
岩塩とは何か
岩塩は、太古の海水が地殻変動によって地下に閉じ込められ、
長い時間をかけて結晶化した鉱床から採掘される塩です。
構造的特徴
- 採掘によって得られる塩
- 鉱物成分(ミネラル)を含む
- 色や結晶形状に個体差がある
ピンク塩(ヒマラヤ岩塩など)は岩塩の一種で、
鉄分などの鉱物成分による着色が特徴です。
関連記事:ピンク塩は本当に体にいい?どんな塩なのか実際に使って分かったこと

海塩とは何か
海塩は、海水を原料として作られる塩です。
主な製法
- 天日干し製法
- 平釜製法
- 海水濃縮 → 結晶化
日本の海水塩は、
天日塩+平釜仕上げなどの工程を経るものが多く、
製法によって粒子・溶け方・味の立ち方が変わります。
関連記事:塩の違いは正直よく分からない。それでも青い海を使っている話

精製塩とは何か
精製塩は、海水などを原料に、
イオン交換膜などの工業的工程によって、
塩化ナトリウム(NaCl)を高純度化した塩です。
構造的特徴
- 高純度
- 成分が安定
- 大量生産向き
- 工業的プロセス
家庭用食塩として、
もっとも広く流通している塩です。
関連記事:精製塩は本当に危険なのか?構造・工程・噂・事実を分解して考える
再製塩とは何か
再製塩は、海外で作られた塩を輸入し、
一度溶解してから再結晶化することで、
国内で加工された塩です。
構造的特徴
- 原料は海外塩
- 国内で再加工
- 再結晶工程
日本市場では、
この再製塩が流通構造の中核になっています。
調味塩とは何か
調味塩とは、
塩に他の成分(うま味成分・調味料・香料など)を加えた塩です。
代表例
- アジシオ
- ハーブソルト
- フレーバーソルト
構造的には「塩」ではなく、
調味料としての性質が強いカテゴリになります。
関連記事:アジシオは塩なのか?ゆで卵でしか使わない私の独断と偏見

加工塩とは何か
加工塩とは、
塩そのものに加工工程が加えられた塩です。
代表例
- 焼き塩
- さらさら塩
- 添加物処理塩
粒子構造・溶解性・保存性を調整するための工程が含まれます。
家庭用としての現実的な分類モデル
家庭での使い方としては、
次の分類が最も現実的です。
常備塩
毎日使う基本の塩
仕上げ塩
料理の最後に使う塩
仕込み塩
下処理・保存・漬け込み用
特殊用途塩
用途限定の塩(調味塩・フレーバー塩など)
塩は「正解」を決めるものではない
塩は、
健康論だけで決めるものでもなく、
イメージだけで選ぶものでもなく、
思想で信仰するものでもありません。
大切なのは、
- 用途
- 生活導線
- 使いやすさ
- 継続性
この4つです。
このページは、
「正解の塩を決める」ためのページではなく、
選択の基準を整理するための構造地図です。
塩を構造として理解し、
自分の生活に合った塩を選ぶための基準として使ってください。
分類や構造は「理解のための地図」にすぎません。
実際に使う塩は、自分が気に入ったもので問題ありません。
